ARM,Javaバイト・コードを実行できる32ビットCPUコアを発売


 英国ARM社は,ARM9ETMマイクロプロセッサ・ファミリに「Jazelleテクノロジ」を搭載したCPUコア「ARM926EJ-STMコア」を発売する.マスク・レイアウトが固定されていないソフト・マクロの形で提供する.すでに,三洋電機,米国LSI Logic社がライセンスを取得しているという.

 Jazelleテクノロジは,ARMプロセッサのJava拡張アーキテクチャの総称である.Java仮想マシンなしでJavaバイト・コードを直接実行できるようになる.Javaバイト・コードが命令セットの一部になっており,処理回路がCPUコア内部に組み込まれている.この命令セットは,32ビット長のARM命令や16ビット形式に圧縮したThumb命令へ任意に切り替えることができる.算術命令や配列操作などの単純なバイト・コードは,ハードウェアで直接実行する.浮動小数点演算や除算など複雑なバイト・コードは例外処理としてARMモードに移行し,ARM命令セットとして実行する.

 このほか,Javaアプリケーションを開始(および終了)するための命令セット,リアルタイム割り込み処理,Javaバイト・コードとARM命令の混在したアプリケーションをデバッグする機能も追加している.

 Thumbステートのように任意のタイミングでARMステートに切り替えることができるJavaステートを用意している.Javaステートの割り込み処理および例外処理の方法が,既存のARMプロセッサと同じであるため,既存のARMプロセッサ向けOSやアプリケーションを,ほぼそのまま利用できる.

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