メンバに聞く; Hamana-1開発プロジェクトの反省と今後



 二上貴夫

1)今回のプロジェクトで何を学んだか?
学生諸君や若手の粘りと根性.最近はニートとか言うらしいが,SWEST戦士はそれとは無縁の存在.

2)「後から思うと,こうしておけばよかった」と思うことは?
自分でもソフトウェアを作る隙を残しておくべきだった.

3)次回のプロジェクトにはどの程度参加する?
それなりに.

4)具体的には何を担当したい?
今度は回収班をやりたい.

5)次回のプロジェクトでいちばん大きなハードル(リスク)は何?
現時点でのサーベイヤ計画の内容と,27日(注:忘年会)に酔った勢いで無茶な要求を上積みすること.

6)その他
みんなでどんどん好きにやってください.





 岸田昌巳

1)今回のプロジェクトで何を学んだか?
  • モチベーション維持の重要性,価値観の違い(学生君と社会人),追いつめられかた,体力の限界(ああ,これは学んだんじゃないですね.感じました)
  • 組織論
  • 代替案の重要性
  • 意志決定,スピード感の重要性
  • 遠隔地開発の進めかた(ひとつの事例でしょうが,,)
  • JAXAの開発計画との差などから,モデルロケットでの重点項目の決め方
     
  • ハイテク,ローテクの総力戦が勝敗を決めると言うこと
  • 交渉力の重要性
# これって日本の組み込みシステムの問題と相似な部分も多いですね.

2)「後から思うと,こうしておけばよかった」と思うことは?
いっぱいあります.でも,全部したら,それはそれで,もっと時間が足りなかったことでしょう.
自分なりに,もう少し整理が必要です.「しなくてよかったこと」と「しなければならなかったけれどできなかったこと」が今ひとつ,ごっちゃになっています.結果オーライになりかねないので,もう少し分析します.

3)次回のプロジェクトにはどの程度参加する?
たぶん来年も暑い日々でしょう.
(いや,しかし,ほんとに体が,,めっきり夜更かしができない体に,,,)

4)具体的には何を担当したい?
観測班の自動化
自動追尾装置とか(オイオイ,それは大風呂敷な)

5)次回のプロジェクトでいちばん大きなハードル(リスク)は何?
時間のなさ,スピード感の維持

6)その他
参加してる人はみんな遊びじゃないのです.顔が笑ってるので勘違いされてるかもしれませんが,社会人も真剣にやってるのです.
# 体が持たないので,イマイチのめり込めていませんが,,

学生君もそうですね.卒業研究でアレをやるのはなかなか骨があります.追いつめられて,じりじりしながら卒業研究を進めるのは精神力が要ります.

しかし,やり遂げられたら,それは凄いでしょう.疾走するような物作りにはなかなか臨席することができません.それでいて,適切な規模で,失敗改善をやれれば,言うことはありません.今回はそう言う意味でも良かったと思います.

適切な規模についてですが,組み込みシステムでは,全体を考えつつ,一部を設計する人が必要です.そうでなければ,全体を設計できる人にはなれません.全体を考えるためには,ある程度見通せる規模の,適当な開発事例が必要です.
# 今回のHamana-1は,適切な大きさでしょう.

失敗改善についてですが,もともと開発は,計画,実施,失敗,対策案の立案,再計画,実施,といったぐあいに進んでいきます.この中で,軌道修正や,再計画に関しては,なかなか経験を積めません.今回のプロジェクトでは開発途中でパラシュートの射出に失敗したため射出実験を追加したりしましたが,こういうものがなかなか良い経験になると思います.





 清水尚彦

1)今回のプロジェクトで何を学んだか?
教育における我慢の必要性とプロジェクト・デッドラインの競合.

2)「後から思うと,こうしておけばよかった」と思うことは?
  • 一般向けのメディア(TV)を入れてプロジェクト進行を取材させておけばよかった.
  • 基礎からきっちりと理解させようと,それこそオームの法則,キルヒホッフの法則から復習させて回路設計をさせていたのだが,プロジェクトの締め切り時間との競合の中で,ある時点から大学院学生を参加させ,ラジオビーコンなどの回路は結局私が提示してしまった.
  • デッドラインがあるプロジェクトでは効率も大切だが,せめて終了後にきちんと反省させ,全体を理解させるべきだった.しかし,終わったとたんにMDDチャレンジ(注:飛行船操船プロジェクト)が始まり,その部分がおざなりになってしまった.
  • プロジェクトの各学生には相互にお互いの内容を理解しておくようにと言ったのだが,勝手に担当意識を持ってしまい,担当者以外は分からないというまずい形になっていた.定期的に担当を入れ替えるなどして,構成員が全部を見ざるを得ない形にするべきだったかもしれない(これもデッドラインとの関係で難しいかもしれないが).

3)次回のプロジェクトにはどの程度参加する?
実際はともかく,気持ちとしては参加したい.

4)具体的には何を担当したい?
今回もやった,システム・アーキテクチャの検討(あーだこーだが楽しいのだ).
ペイロードが許せば,独自CPU,独自OSをFPGAに搭載するシステムをやりたいけれど,FPGAはチップが巨大なので,こだわらず小さく作るほうが楽しいかも.

5)次回のプロジェクトでいちばん大きなハードル(リスク)は何?
何と言っても人と工数の調達だろう.ある程度以上の規模になると予算調達も問題になるかもしれない.

6)その他
液体燃料エンジンを調達し,もっと大きなペイロードで1万mくらいは打ち上げたい♪(浜松で許可が下りるのか分からないが)
また,ラジオビーコンは一方通行だったので,搭載機と地上局の相互通信ができる機能を搭載し,前回以下の大きさに収めたシステムを作りたい.





 穴田啓樹

1)今回のプロジェクトで何を学んだか?
実際に会って打ち合わせすることの大切さを改めて痛感しました.

2)「後から思うと,こうしておけばよかった」と思うことは?
遠慮せずに率直に意見を言えばよかった,と思う場面がいくつかあります.
私が思うには,プロジェクトの始めにチーム作りが必要でした.

3)次回のプロジェクトにはどの程度参加する?
今は別のことで頭がいっぱいですが,春になって盛り上がってくると自然と足が向かう気がしています.

6)その他
振り返ってみて,いちばん印象に残っているのは,東海大学の皆さんとプロジェクトを進めることができたことかな・・・と思っています.





 森 孝夫

1)今回のプロジェクトで何を学んだか?
重要なことは何かを認識することは重要だと認識することの重要性

2)「後から思うと,こうしておけばよかった」と思うことは?
企業人として見ると,システム・アーキテクチャ変更ごとの
・変更の原因
・逆分析によるWhatの明確化
・開発工程への影響
を明確化するとよいと思う

3)次回のプロジェクトにはどの程度参加する?
実際はともかく,気持ちとしては参加したい

4)具体的には何を担当したい?
記録係(反省を受けて)





 岩橋正実

1)今回のプロジェクトで何を学んだか?
システム開発の大変さ.
 納期と最低限の機能仕様で高品質なベースを作ることが重要ですねぇ...
あれも,これもと夢は広がりチャレンジしたいのですが,
80%のゆとりの開発で対外120%の開発負荷となりますね.
突発的な予測できないハプニングもいろいろ経験させていただきました.

2)「後から思うと,こうしておけばよかった」と思うことは?
特にありません.
今回は,システム設計時,機器間のインターフェースだけ明確にできた???ように思いますのでサブシステムの開発は自律分散的な作業が可能だったのかなぁ?

3)次回のプロジェクトにはどの程度参加する?
参加したい!!
・・・でも実際はどうかなぁ...

6)その他
トテモ大変でしたが,トテモ楽しかった.
プログラミングからかなり離れていましたが久々に感動しました.
物づくりの本質,失敗してくふうして落ち込んで動いた時の感動は子供のころと変わらないように思います.

2003年の暮れから,スキー場のゲレンデからルネサスさんや平岡さん,二上さんとメールで打ち合せをしていたのを思いします.
家に帰ってSHボード選択,動作確認と紅白歌合戦を眺めながら二上さんに助けてもらいながら年を越してお雑煮をソソリ,酔っ払いながらトテモ大変な年明けを迎えましたが,今年もモット大変になりそうです.





 竹内 透

1)今回のプロジェクトで何を学んだか?
「すべての状況を判断し,熱意をもった指導者がいると,プロジェクトが有意義な成果を挙げることができる.また,プロジェクトの目標が明確であることも重要である」ということを学びました.
とくに,優秀なリーダー,指導者がいることがプロジェクトの成否を決めると思います.

3)次回のプロジェクトにはどの程度参加する?
ほとんど関われませんが,メール上や自宅でできることがあれば協力したいと思います.

4)具体的には何を担当したい?
情報調査などを手伝わせていただければと思います.

5)次回のプロジェクトでいちばん大きなハードル(リスク)は何?
実験規模が大きくなってきたので,実験費用の調達が問題になるのではないかと思います.

6)その他
今回は,ロケット打ち上げのベテラン,電子回路技術のプロ,GPSの専門家,情熱あるプロジェクト・メンバの参加,熱意のある学生グループの奮闘により,成功を勝ち得たと思います.
おめでとうございます.



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