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金田一氏は標準デバイス・ドライバ・ガイドラインの策定について発表した.まず,三つの主要なデバイス(シリアル・インターフェース,Ethernet,ストレージ)のOSに依存する機能部分(GDIC)のガイドラインを策定する.
これまでのITRON仕様OSには,前述のように標準的なデバイス・ドライバが存在しなかった.ITRON仕様OSの利用者がカーネルのAPIを利用して,ハードウェアを制御するプログラム(デバイス・ドライバ)を作成していた.ITRONどうしの互換性がないため,それぞれ個別に開発する必要があった.またデバイスによっては固有のくせがあることや,ほかのCPUに移植する際に書き直す必要があるなど,開発コストが高くなりがちだった.WindowsやLinuxなどの汎用OSでは標準的なデバイス・ドライバが提供されており,OS利用者があらためて開発する必要はない.今回の策定にあたっては,ITRONにおいても汎用OSと同様の利便性を持たせたいと考えたという.
デバイス・ドライバの構造として,OSに依存する処理部分(GDIC:General Device Interface Component)と依存しない処理部分(PDIC:Primitive Device Interface Component)を分け,ほかのOSへの移植が容易な構造にした(写真3).デバイスが異なる場合も,PDICを置き換えることによって移植が容易になる.また,それ以外のCPUやハードウェアに依存する処理部分(SIL:System Interface Layer)を別途規定した.OS側では主にGDIC機能部分を開発し,PDICはデバイス・メーカが,SILはアプリケーション・プログラムの実装者が開発(または設定)することを想定している.
OSに依存する処理部分(GDIC:General Device Interface Component)と依存しない処理部分(PDIC:Primitive Device Interface Component),CPUやハードウェアに依存する処理部分(SIL:System Interface Layer)の三つに分けた.
現在は,シリアル・インターフェースとEthernet,ストレージ(ハード・ディスクなど)のGDICのガイドラインを策定中.シリアル・インターフェースについてはガイドラインとサンプル・コードがほぼ完成している.Ethernetとストレージについても開発が終了した時点で公開する.2003年秋の公開を予定している. ●出荷後にモジュールを更新できるITRON仕様OSを開発
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モジュール更新のしくみは以下のようになる(写真5).同OS(クライアント)から,ネットワーク上のダウンロード用のサーバ(今回の開発ではLinuxを想定)に対して,入手したいモジュールのIDやバージョン番号を指定し,あわせてクライアントのメモリ・マップ情報も送信する.サーバは入手した情報を基に,空いているメモリ・マップを見つけてアドレス解決を行い,生成したロード・モジュールを返す.クライアントは受信したモジュールを自身に組み込む.
本開発のポイントは,新しいモジュールのアドレス解決を行う機能(リンク機能)をサーバ側に配置したことにある.なお,セキュリティについては,本開発ではクライアントが信頼できるサーバにアクセスすることを前提としており,ネットワークが持つ各種のセキュリティ機能を利用することになる.
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トロン協会 トロン教育・普及グループ 主査で東京大学情報基盤センター YRPユビキタスネットワーキング研究所の越塚 登氏は,組み込みソフトウェアの初心者向け教科書の作成について発表を行った(写真6).教科書の読者対象は「物理学科・機械工学科など,コンピュータ・サイエンス以外の分野を専攻してきた理系の新入社員」.C言語によるプログラミング経験やOSの基本的な知識があることを想定している.
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現在,組み込みソフトウェアを開発している大手企業では,新入社員研修の一環として組み込みシステムやリアルタイム・システムについての研修を行っている.基本的な部分のカリキュラムは,これらとほぼ同様.同グループでは,この基本的な研修の部分を代替できる教科書やセミナを提供していく.
教科書執筆にあたっては,特定のプロセッサや製品には依存しないような内容とした.ただしリアルタイムOSについては,ITRONの構造に沿った説明になっている.また,セミナ教材としても使えるように,スライド形式の資料として作成し,それぞれのスライドに説明をつけた.
作成した教科書は,基本的にはトロン協会(および会員各社)が開催するセミナの教材として使用する.現在,第1回目のセミナを2003年7月23日に茨城県ひたちなか市で行う予定.同グループの成果物(教科書のディジタル・データも含む)は,まとまりしだいトロン協会のホームページで公開するという.
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