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高速インターフェース規格ガイド
--Serial ATA,3GIO,InfiniBandから10GビットEthernetまで

6.PCI-X   
 DDR/QDR対応PCI-X2.0でスピード・アップ

村井康秀

 PCI-Xバスは,PCIバスの上位互換規格として1999年9月にPCI-SIG(Peripheral Component Interconnect-Special Interest Group)によって策定されました.

1)最大データ転送速度を向上:PCIと比べて,PCI-Xではクロック速度を上げて,最大データ転送速度を改善し ました.PCI-X 1.0では動作周波数が133MHzでバス幅が 64ビットのとき,データ転送速度は1Gバイト/s以上となります.さらにPCI-X 2.0ではバス幅が64ビットで,DDR(double data rate)時に2倍,QDR(quad data rate)時に4倍の転送速度を実現できます(表3).また,接続できるスロット数の増加により,拡張性を高めています.

2)PCIの弱点をカバー:PCI-Xは表面化してきたPCIの弱点もカバーしています.66MHz対応のPCIボードを開発するうえで大きなハードルになっているのが,3nsのセットアップ要求ですが,PCI-Xではこの要求をより簡単にクリアするための手法を用意しています.また,PCIのデータ転送速度においてボトルネックとなるリード・サイクルもプロトコルの変更により改善しています.PCIでリード・サイクルになると,ターゲットが要求されたデータを用意して返すまでバスが占有され続けるので,ほかのデバイスはその処理が終了するまで待たなくてはなりません.その結果 ,データ転送速度は大幅に下がってしまいます.PCI-Xでは,アトリビュート・フェーズ(Attribute Phase)をアドレス・フェーズ(Address Phase)とデータ・フェーズ(Data Phase)の間に追加し,スプリット・トランザクション(Split Transaction)というプロトコルを利用して,性能の低下を抑えています.

3)互換性を維持:PCI-XはPCIと互換性があるため,既存の資産を活用でき,開発しやすくなっています.例えば,PCI-XカードをPCIシステムで利用したり,逆にPCI-XシステムでPCIカードを利用できるので,既存の資産を利用しながら順次機能アップしていくことが可能です(表4).開発面 では,PCI仕様に対して,いくつかのプロトコルの追加はありますが,基本アーキテクチャは同じなので,PCIを開発した経験のある技術者であれば,PCI-Xシステムも容易に開発できます.

 PCIバスに替わる入出力インターフェースとして,1Gbps以上のデータ転送速度を持つ各種のシリアル・バス規格も登場してきています.しかし,既存の資産を生かすPCI-Xは,システムを順次機能アップできるうえ,開発環境を大幅に変更する必要がありません.また,PCI-X製品はブリッジやチップセットはもちろん,ハイエンド・サーバなどにもすでに採用されています.今後はパソコンなどにも順次採用されることと思います.

仕 様
(リビジョン)
バス幅
(ビット)
バス動作周波数
(MHz)
最大データ転送速度
(Mバイト/s)
PCI 2.2
32
33
133
PCI 2.2
64
66
533
PCI-X 1.0
64
66
533
PCI-X 1.0
64
100
800
PCI-X 1.0
64
133
1066
PCI-X 2.0 (DDR時)
64
133
2132
PCI-X 2.0(QDR時)
64
133
4264


〔表3〕PCI-XとPCIのバス幅と最大データ転送速度
PCI-X2.0では,送信側が独自に,正負が対になった2本のStrobe信号(DDR時は133MHzの,QDR時は266MHzのクロック)をデータや各種信号とともに送るようにしている.このため,受信側はシステムのクロックに依存せず,送信側から送られてきた2本のStrobe信号(クロック)の各立ち上がりエッジに合わせてデータを受け取ることができ,2倍や4倍のデータ転送を実現させている.

 

ターゲット・
ボード

メイン・ ボード

現行のPCIカード
PCI-Xカード
33MHz
(5V I/O)
33MHz
(3.3V I/Oまたは汎用)
66MHz
(3.3V I/Oまたは汎用)
66MHz
(3.3V I/Oまたは汎用)
133MHz
(3.3V I/Oまたは汎用)
PCI
システム
33MHz
33MHz
(5V I/O)
33MHz
(5V I/O)
33MHz
(5V I/O)
33MHz
(5V I/O)
33MHz
(5V I/O)
66MHz
33MHz
66MHz
a)33MHz
b)66MHz
a)33MHz
b)66MHz
PCI-X
システム
66MHz
33MHz
33MHz
66MHz
66MHz
100MHz
33MHz
a)33MHz
b)66MHz
66MHz
100MHz
133MHz
33MHz
a)33MHz
b)66MHz
66MHz
133MHz


〔表4〕 PCI-XとPCIの互換性
PCI-XはPCIと互換性を持つ.例えば,PCI-Xの133MHzシステムにPCIの66MHzカードや33MHzカードを混在させることができる.ただし,この場合,システムはPCIの33MHzシステムとして動作する.a)はPCI-Xを開発する際の必須事項(PCIの33MHzへの対応)を示す.b)は開発者が状況に応じて対応させるオプション(66MHzへの対応)を示す.水色の部分はPCI-Xモード.

 

(株)ミッシュインターナショナル
村井康秀


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